最古の漬物奈良漬、野菜作りと共に京都へ
奈良漬は古代より粕漬として上流社会で珍重され、その歴史は1300年近くも遡ることができます。平城京の跡地で発掘された長屋王木簡にも「粕漬瓜」と記された納品伝票らしきものがあります。当時の酒はどぶろくであったため、粕とは搾り粕ではなく酒の底に溜まる沈殿物を指したと思われます。その後奈良漬は、江戸時代に入り幕府への献上や奈良を訪れる旅人によって普及し、庶民に愛されるようになりました。
奈良朝の後、ながく日本の都であった京都には、各地より優れた野菜が寄せられました。宮中の漬物として奈良漬は京野菜とともに伝統漬物として育まれているのです。


元来造り酒屋であった創業者の宇津鉄次が酒蔵から出る酒粕を利用し、当時贅沢品であった奈良漬を作り上げて以来の自慢の味わいです。京都の伝統野菜である桂瓜をはじめ、西瓜、胡瓜、守口大根を酒処、伏見の酒粕と味醂粕にて数回漬けかえ、三年間じっくりと漬け込んでいます。熟成した、優雅でまろやかな京風味と芳醇な香りをお楽しみください。
先代店主が製法をまとめ、その一部を昭和11年「実際園芸」21巻7号に隼人瓜、西瓜、生姜、筍の奈良漬のおいしい漬け方として紹介しました。これはまた昭和41年「食品研究社」発行の「実際的漬物加工法」の中でも参考文献としてとりあげられています。


奈良漬は水洗いせずにふきんで漬物の表面の粕をきれいに拭き取り、おこのみの大きさに切ってお召し上がりください。


京都 錦小路|京漬物 桝悟(ますご)